グリーンベイ・パッカーズは、NFLの歴史と共に歩んできたチームです。1919年に設立され、1921年にNFLの前身リーグに加盟しました。チーム名の由来は、創設者カーリー・ランボーが勤務していた缶詰会社「インディアン・パッキング・カンパニー」から来ています。この会社がユニフォームと練習フィールドを提供したことから、「パッカーズ(缶詰工)」という名前が採用されました。
パッカーズの歴史において特筆すべきは、1960年代のビンス・ロンバルディ監督の時代です。ロンバルディ監督の下、パッカーズは1961年から1967年の間に5回のNFL優勝を果たし、さらに最初の2回のスーパーボウルで優勝しました。この時代のパッカーズは「氷の上のパワーフットボール」と呼ばれる強力な走攻めを特徴とし、NFLの黄金期を築きました。
パッカーズの最も特徴的な点の一つは、その所有形態です。NFLで唯一、株主制度を採用しているチームなのです。1923年、財政難に陥ったパッカーズは地元住民に株式を売却して資金を調達しました。以来、この「市民所有」の形態が続いています。
現在、約36万人の株主がいますが、配当金はなく、株式の売買も制限されています。株主になることは、パッカーズを支援する一つの方法であり、多くのファンにとって誇りとなっています。この独自の所有形態により、パッカーズは小規模市場であるグリーンベイに根付き、地域と強い絆を築いています。
パッカーズのホームスタジアム、ランボー・フィールドは、NFLの中でも特別な存在です。1957年に建設されたこのスタジアムは、チームの創設者カーリー・ランボーにちなんで名付けられました。収容人数は約81,000人で、NFLの中でも最大級のスタジアムの一つです。
ランボー・フィールドの特徴は、その過酷な気候条件にあります。冬季には気温が氷点下まで下がり、強風と雪が吹きすさぶことから「フローズン・タンドラ」(凍てついたツンドラ)の異名を持ちます。この厳しい環境がパッカーズに有利に働き、多くの名勝負を生み出してきました。
また、スタジアムの周辺には「タイトルタウン・ディストリクト」と呼ばれる複合施設があり、年間を通じてファンが楽しめる場所となっています。ここには、パッカーズの歴史を学べるホール・オブ・フェームや、チームにちなんだレストラン、ショップなどが立ち並んでいます。
パッカーズの歴史は、数々の伝説的選手によって彩られています。その中でも特に注目すべき選手を紹介します。
これらの選手たちは、パッカーズの歴史に深く刻まれ、今もなおファンに愛され続けています。
パッカーズファンの熱狂的な応援は、NFLの中でも特筆すべきものです。その象徴的な存在が「チーズヘッド」です。これは、チーズの形をした黄色い帽子で、パッカーズファンのトレードマークとなっています。ウィスコンシン州の主要産業である酪農にちなんだこのユニークな応援グッズは、1987年に誕生して以来、パッカーズファンの誇りとなっています。
また、パッカーズには「シーズンチケット待ちリスト」が存在します。このリストに名前を載せてから実際にチケットを手に入れるまでに、30年以上かかることもあるといわれています。これは、パッカーズファンの忠誠心の高さを示す一例です。
さらに、ホームゲーム前には駐車場でのテールゲーティング(車の荷台を使ったパーティー)が盛んに行われ、地域コミュニティとチームの強い結びつきを象徴しています。この文化は、パッカーズが単なるスポーツチーム以上の存在であることを示しています。
以上のように、グリーンベイ・パッカーズは、その歴史、独自の所有形態、伝統、そしてファンとの強い絆によって、NFLの中でも特別な存在となっています。「NFLの緑」と言えば、多くのファンがまずパッカーズを思い浮かべるのも納得できるでしょう。